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民家現地再生の流れ

民家を現在建っている場所で再生するのが『民家現地再生』です。

民家現地再生は、民家の状態、再生後のプランなどによって、簡単な内装のリフォーム程度から建物をすべて解体する大規模なものまであります。

O設計室が最近手掛ける現地再生では建物をそのまま地上2mほど持ち上げて新たな基礎を作り、傷んだ柱などの部材を交換してその民家の耐久性、耐震性を増す工事が多くなっています。この機会に内装や台所, 浴室などの水周りのリフォームや断熱化によって快適性を増す工事も行います。

このような事例を基に、民家現地再生の流れをご説明します。

民家調査

設計に先立ち、民家の調査を行います。調査は基本調査と詳細調査に別れます。

基本調査では、民家の概要をとらえ、どのような再生が可能か基本的な構想を提出します。

詳細調査では、再生に向けて、建物の構造や現在の状態を床下から屋根裏まで詳細に調査して報告書としてまとめます。報告書は平面図、立面図、断面図、及び柱の傾きを記した柱転び沈下図、考察などです。

民家調査の様子 民家調査の様子

基本計画

詳細調査や構想に基づいて具体的なプランを作成して行きます。建物の基本が決まる大事な段階です。

実施設計

工事費を見積もる為に、図面や仕様書などを作成する段階です。実施設計を基に工務店に見積もりを依頼し、設計内容と見積もりの調整を行います。内容と見積もりに了解いただけましたら、工務店と工事契約を結びます。

また必要な場合は、設計内容が法律を満たしているかを確認する確認申請の手続きを行います。

基礎工事

民家現地再生では上屋の構造を残して、新しく基礎を打つケースが多々あります。この場合、建物全体をジャッキアップし、その下で基礎工事を行います。あるいは曵き屋といって、建物を丸ごとそのまま移動し、新しい基礎を設置する場合もあります。

きざみ

民家現地再生の場合でも、痛んでいる部材や、新しいプランに合わせるために、新材を使用したり、新しく木と木を接ぐ仕口や継ぎ手をつくることがあります。こうした仕口や継ぎ手をつくる作業を『きざみ』と呼びます。

建て方

柱や梁など建物の主要な構造部材を組み立てる作業を『建て方』と呼び、とくに棟木を載せる行程を『建前』といいます。民家現地再生の場合、建物の歪みの修整や、補修、増築などを行います。

左官等内装工事・設備工事

柱や梁のみでなく、様々な部材が再生に用いられます。土壁などに使われている土は、一度剥がしてからねかし、再度左官の材料として用いられます。古材をカウンターや内装仕上げ材として使用するケースもあります。

また台所や浴室などの水周りの設備工事、断熱化といった古民家に快適性を取り込む工事も行われます。

民家再生の流れ