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腰越の家:東京の民家を鎌倉に移築

所在地:神奈川県鎌倉市
施 工:小嶋工務店
竣工年:2007年
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東京都北区に残っていた典型的な「田の字型」民家。北区十条に江戸期から10代以上続く醍醐邸の主屋で明治32年の建築、大きな改変も無く大事に使われてきた建物でした。日本民家再生リサイクル協会の「民家バンク」に登録されたこの民家の譲り受けを申し出たのはまだ30代のご夫婦でした。この民家の歴史とその佇まいに惹かれたからでした。

早 速土地探しを始めて最終的に見つけたのは海に近い鎌倉市腰越。この民家を移築するにはちょうど良い広さの土地でした。元の持ち主の都合でとりあえず解体して部材を鎌倉に輸送。敷地の一角に仮小屋を建てて保管しました。再生工事の方針は「田の字型」の間取りを尊重し元の外観を残すこと。現代住宅としての最低限の機能は付加するが過大な冷暖房設備は設けないこと。鎌倉の豊かな自然と気侯を生かすことの3点でした。

工 事は丁寧に解体した部材を再び同じ職人達によって復元する仕事が中心となりました。外壁は土壁漆喰塗り、屋根は瓦葺という当初の姿を踏襲。しかし台所,浴室などの水周りは最新の設備をいれています。また北側の食堂の上部にはトップライトを入れて暗さを解消しています。

こうして解体してから一年半後の平成19年秋、醍醐邸は鎌倉に移築され、4人家族の住宅としてスタートしました。再び家のシンボルとなった大黒柱の周囲を子供達が走り回る日常が始まったのです。 なおこの移築再生の全過程を映像化したDVD『醍醐邸から奥村邸へ』をO設計室で製作販売しています。