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民家移築再生:浄妙寺の蔵

所在地:神奈川県
施 工:(解体移築工事)渡部工業 (再生工事)飯村工務店 (左官工事)長田左官工業
竣工年:2010年
規 模:木造2階建 延べ床面積 28坪
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 山形県鶴岡市にあった築130年の蔵を移築、住宅として再生したものです。外壁は竹小舞の上に藁すさを混ぜた淡路島産の土を塗った本格的土壁。その施工には当社が主宰するワークショップに参加した皆さんが「竹刈り」から「小舞搔き」「泥団子付け」で協力しました。上棟式は山形流の古式にのっとり大工棟梁の「棟木締め」の後「餅撒き」を行って祝いました。

 この蔵の最大の特徴は骨組みの素晴らしさとそれを組み上げた明治時代の高度な大工技術です。それを隠さずに全て見せるのが設計方針です。1階には2つの箱が室内に置かれています。一つにはキッチンが、もう一つにはバスルームが入っています。ケーキの箱を開けるようにキッチンの天井を開けてヨットのキャビンに入るように階段を降ります。テーブルでコーヒーを飲む人とキッチンに立つ人の目線が合います。バスルームの箱にはアンティークの洋バスと便器が総タイル張りの中に入っています。箱と外壁の隙間は光と風の通り道。密に立つ柱が蔵の強固な構造を感じさせます。

 2階はワンルームの空間。漆塗りの棟木と屋根を支える内掛け梁がまた見事です。

 土壁のおかげで夏は冷房なし、冬は暖炉の火だけで過ごしているという建主にとって蔵は快適な我が家になったようです。