2010 年 11 月 25 日

伊豆の石蔵保存運動を支援してきました

2010年11月21日

現在隣に立つ元役場の建物が解体中でとりあえず蔵の解体は待っているという状況でした。小ぶりで単純な蔵ですが石は私が知っている斑紋があるベージュ色の伊豆石でした。内部に入って蔵の特徴が分かりました。2階は木造だったのです。すなわち1階は厚さ24センチの伊豆石を積んだ純組積造、2階は木骨石造(骨組みは木造)だったのです。二階の石の厚さは12センチ程度でした。このような構造にした理由が良く分かりません。
この蔵はここに昭和30年初期に移築されたそうです。元は近くの役場にあり町村統合の結果ここに動いたのです。ただ元の土地にいつ建てられたかは現在不明とのこと。
2階の棚には役場の資料庫として使用した痕跡が張り紙などで分かりました。
二階の小屋組みには見事の曲がり梁が中央にかかっていて見事でした。

見学の後で会場を近くの公民館に移して私を含めて民家再生協会の4人と集まった地元の人たち10人で話ました。私は協会の活動で保存することができた蔵の実例を資料を使って説明、その後石を使った建築がある全国の5箇所の例をお話しました。特に石蔵として有名なのは大谷石、新島の抗火石(軽石)の蔵ですが伊豆にもこのような石蔵があることはあまり今まで研究もされなかったので盲点になったいるので今後地元で調査するとともに既に生産を止めてしまった伊豆石の貴重な蔵は地域の文化財として残す必要性があると説き、また充分登録文化財に値する建物で大事にして欲しいと発言しました。
地元の方々からももったいないという言葉が出ました。参加者の中には近々町長に会うので申し入れてみるとの嬉しい発言も飛び出して我々が行ったことがなんらかの波紋を投げかけたようです。
とにかく地元の多数は単なる倉庫としてか認識していないようです。土地は町所有なので更地で売るという予定のようです。せめて石蔵部分を文筆して保存する方法もあるのではないかと提案しました。今後そこをどう活用するかはまず残してからそのあとで考えればよいのです。現在11月中に移築する希望者が出なければミンチ解体する手順になっています。最後の見学会は来週の日曜日(28日)となります。
見学なさる方は伊豆熱川駅下車徒歩約20分、奈良本公民館そばです。(大沢匠)

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カテゴリー: イベント — osawa @ 4:22 PM

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